日本銀行が金融政策を維持したことを受け、植田和男総裁は31日の記者会見で「米国をはじめとする海外経済や金融資本市場の動向を十分注視する」とし、経済と物価への影響を見極める考えを示した。追加利上げに関して繰り返してきた「時間的余裕がある」との発言はしなかった。市場では追加利上げに前向きな姿勢と受け止められ、外国為替市場の円相場は円高ドル安に振れ、一時1ドル=151円台をつけた。
大統領選の投開票を11月5日に控える米国経済の動向を見極めるため、もともと市場関係者の間では日銀が政策金利を据え置くとの見方が多かった。植田氏が「時間的余裕がある」と繰り返し発言してきたことも、そうした見方を補強していた。
それだけに市場の注目は、植田氏の発言がどのように変わるかに集まっていた。
植田氏は会見で、8月以降の…